蛍光とは?蛍光とその原理について

化学

 蛍光とは、光励起された蛍光物質が安定化される際に放出され光です。ここでは、蛍光とは何なのか。また、蛍光の原理について詳しく説明していきます。

蛍光とは?

 はじめに、蛍光について説明する前に光について理解しておかなければなりません。光やその波長、エネルギーについては、可視光とは?光の波長についてで説明していますのでぜひご覧ください。

身近な蛍光製品

 
 蛍光の特徴を用いた身の回りの製品に蛍光ペンや安全防災用色材、蛍光灯などがあります。これらはブラックライト(紫外線)や可視光の低波長域の光をあてると、製品があてた光と異なる色やさらに鮮明な色として発光するのが特徴です。

身近な蛍光製品例

蛍光、蛍光物質の定義

 このように、発光とはある物質がある波長の光を吸収し、それとは違う波長の光を放出する物理的な性質のことを指します。また、この性質をもった物質を発光物質といいます。このとき、吸収した光のエネルギーよりも低エネルギーの光を放出します。

吸収した光のエネルギー > 放出する光のエネルギー
(高波長) (低波長)

蛍光の原理

 では、蛍光はどのような原理なのでしょうか。図を用いて説明していきます。

蛍光の原理(エネルギー図)

 ①まず、蛍光物質は安定な状態(基底状態)となっています。このときは発光しておらず、物質本来の色をしています。
 ②ここにある特定の波長を蛍光物質に照射すると、光のエネルギーによって電子が高いエネルギー状態へと励起され、不安定な状態となります。(励起状態のエネルギーは決まっているため、基底状態から励起状態になるエネルギー差と同一のエネルギーをもつ光の波長のみを吸収する)
 ③次に、励起された電子は不安定であるため、物質が振動作用によってエネルギーを失い、やや安定化します。
 ④そして、電子は光を放出することによって再度、基底状態へと戻ります。ここで、基底状態から吸収した光エネルギーと放出する光エネルギーに差が生じるため、放出する光は長波長側となるのです。

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