高分子科学誕生の歴史

化学

高分子とは、原子が共有結合でつながった巨大分子のことである。この概念が確立するまでの歴史について説明していく。

高分子の提案と概念の確立

1833年、スウェーデンの科学者 J. J. Berzeliousが高分子(polymer)という用語を初めて提案した。彼の提案した高分子の意味は「同一の組成を有しているが、分子量が異なる化合物」であるが、共有結合のみならず、副原子価(配位錯体生成にみられる二次的な力)による会合も含まれており、今日用いている高分子よりも広い定義であった。

1930年代、高分子がどのような分子であるのかが明らかになった。

以下ではこの1833~1930年代までどのように高分子の概念が確立されたのかを説明する。

コロイド化学のミセル説

1890~1900年代初期、何万もの大きな分子量をもつ巨大分子が存在する高分子に対し、副原子価による分子の会合が多数あり、高分子的な挙動を示しているにすぎないというミセル説が提案されていた。

1904年、A. G. GreenはセルロースがC6H10O6を基本分子とする会合体であると考えた。

1920年、F. Haborらにより、セルロースのX線回析の観察を行い、セルロースの結晶性を示した。この結晶単位が、従来のセルロース低分子説と一致しており、セルロースの低分子が溶解するときに結晶性の微粒子まで分散している「ミセル説」を有力なものとした。

巨大分子説

ミセル説が定着しはじめていた頃、H. Staudingerが化学的に結合した巨大分子である高分子説を名言しはじめた。

1925年頃、X線研究によるセルロースや天然ゴムの繊維周期からその性質や機能を説明することができ、高分子説の支持者が増えていった。

1953年、H. Staudingerが巨大分子の研究業績に対し、ノーベル化学賞が贈られた。以下にStaudingerによる2つの研究を説明する。

Staudingerの粘度律

溶液の粘度と分子量の間に関係があり、粘度が高いほど分子量が高いという関係を明らかにした。

[η]=KM ここで、[η]は固有粘度、Mは分子量、Kは定数である。

この式と、他の実験(末端基から求めた真の分子量、浸透圧から求めた分子量)とが一致しており、高分子科学は確立されていった。

等重合度反応

等重合度反応とは、置換反応、脱離反応、付加付加反応など、重合度が変わらない反応のことをいう。もし、低分子が会合したミセル状態が等重合度反応を行えば、浸透圧法よる重合度の変化が起こるはずであった。しかし、実験結果として反応前後で重合度が変わらず、巨大分子存在が明らかとなった。

コメント

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