発泡スチロールはなぜ使われている?

化学

大きな生魚などを買うと発泡スチロールの箱を使って運ぶことがよくあります。これは、発泡スチロールを使うことで氷がとけにくくなり、新鮮さが保たれるからです。では、なぜ発泡スチロールは箱内の温度を一定に保つことができるのでしょうか。化学的に説明していきます。

熱の伝わり方

 発泡スチロールについて説明する前に、熱の伝わり方を説明します。ある壁をはさんで熱が伝わるときには、まず壁の温度を上げなければいけません。例として箱の中を温めることを考えます。この時、箱の外が温かい場合、箱が外側の熱によって温かくなり、その後に箱の熱によって内側が温かくなるのです。このように、箱の内部が温まるには壁を伝ってからでないといけないのです。

発泡スチロールはほとんど空気!?

 箱の熱によって内側が温まることを説明しました。では、発泡スチロールはなぜ内側が温まりにくいのでしょうか。これは、発泡スチロールがほとんどが空気でできているからです。熱の伝わりさすさは、物質の三態で固体、液体、気体の順になります。熱の伝わり方は分子の衝突によって起こることから、密度が低い気体は衝突が起こりにくく、熱が伝わりにくくなります。よって、真夏のような暑いところでも、発泡スチロールによって外側の温度が内側へ伝わりにくくなり、氷がとけにくくなるのです。

〈追加説明〉タンブラーは更に熱を通しにくい

 固体、液体、気体の順で密度が低くなるため熱を通しにくと説明しましたが、一番熱を通しにくいものは、密度が0の状態、つまり真空状態です。この真空状態に近づけて熱を通しにくくした商品がタンブラーというコップです。タンブラーはコップの中を真空状態に近づけることで注がれた飲み物を温かい状態や冷たい状態を長時間キープすることができています。

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