反応速度と活性化エネルギー

化学

 化学反応が起こるためには、反応前の物質が十分なエネルギーを有していなければなりません。このエネルギーの値や反応物の運動性によって反応速度が大きく変化します。ここでは、反応速度をあげるためにはどのような状態がいいのか、また反応するためのエネルギーについて説明していきます。

活性化エネルギーとは?

 化学反応が起こるには、反応物が十分なエネルギーを有していなければならないことを説明しました。ここで、反応物が化学反応を起こし生成物になるために必要な最低量のエネルギーを活性化エネルギーといいます。反応物と生成物で、生成物の方が安定なとき、すべての分子が生成物へ変化するわけではなく、活性化エネルギー以上の分子のみが生成物へと変化することができます。
 化学物質の速さには分布があり、それぞれが異なる速度で動き回り、絶えず衝突し合っています。そのため、遅い分子が速い分子と衝突することで、遅い分子はエネルギーを吸収し、不安な状態(活性化状態)となります。活性化状態となった分子がより安定な(エネルギーが低い)状態である生成物へと変化することができるのです。
 

反応速度をあげるには?

 反応速度は、活性化エネルギーを超える分子の数が多くなるほど大きくなります。反応速度を大きくするためには大きく分けて2つの方法があります。

1.反応物のエネルギーを大きくする。

 反応物のエネルギーを高くすることで、活性化エネルギー以上のエネルギーをもった物質の数が多くなり、反応速度が高くなります。化学物質のエネルギーは、衝突する回数と速度の積で考えることができます。
 衝突する回数を多くするには、分子同士を狭くする(圧力、濃度を高くする)こと、速度を大きくするには温度を上げることで反応物のエネルギーを高くすることが可能です。

2.活性化エネルギーを低くさせる。

 活性化エネルギーを低くすることも可能です。そのためには触媒というものが必要になります。触媒とは、化学反応の前後で構造変化しないが、活性化エネルギーを低くさせる働きをもつ物質のことです。化学反応の前後で構造変化しないことから、生成物ができた後でも再度触媒を利用することができるので、少量でも十分に効果を発揮します。

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