原子とは、物質を構成する最小の基本単位のことです。科学として勉強する上でこの原子の構造についての理解は欠かせません。ここでは、原子の構造や性質について説明します。
原子の構造
原子は原子核といくつかの電子で構成されています。その中で原子核は、原子の中心部に位置しており、正の電荷をもつ陽子と電荷をもたない中性子によってできています。この時、陽子と原子の数は同じであり、電気的に中性であります。電子は原子核の周りを飛び回っています。
![](https://i0.wp.com/chem-notice.com/wp-content/uploads/2023/07/原子の構造_1.jpg?resize=480%2C360&ssl=1)
陽子の数(及び電子の数)が異なる原子があることから、陽子の数によって原子の種類が区別されています。陽子の数が1個のものを水素原子、2個のものをヘリウム原子、3個のものをリチウム原子といった感じです。
性質
大きさ
原子の大きさや、原子を構成する原子核、電子の大きさを表に示しました。ここで、原子の大きさは電子の運動範囲となります。
直径(m) | |
原子 | 10-10 |
原子核 | 10-14 |
電子 | 10-16以下 |
![](https://i0.wp.com/chem-notice.com/wp-content/uploads/2023/07/原子の構造_2.jpg?resize=328%2C246&ssl=1)
大きさがあまりに小さいため、想像しにくいかと思います。例えば、水素原子の原子核を卓球ボールくらいの大きさに拡大したとき、原子の大きさは地球と同じくらいの大きさとなります。このように、原子核と電子はとても離れており、原子核や電子はとても小さいことが分かります。
電気量
電気量(C) | |
陽子 | 1.60×10-19 |
中性子 | 0 |
電子 | -1.60×10-19 |
陽子や電子は電荷をもっています。原子を構成する粒子の電気量を表で示しました。
陽子と電子はそれぞれが等しく符号が逆の関係を示します。また、中性子は電荷をもたないため、電気量は0となります。よって、陽子と電子の数が等しい原子では、中性の性質を示すのです。
質量
質量(g) | |
陽子 | 1.673×10-24 |
中性子 | 1.675×10-24 |
電子 | 0.911×10-29 |
原子を構成する陽子、中性子、電子にはそれぞれ質量をもっています。原子を構成する粒子の質量を表で示しました。
このとき、電子の質量が陽子や中性子と比べて約1/2000程度しかないのが分かります。よって、原子の質量は陽子と中性子の数の和によってほぼ決まるため、陽子の数と中性子の数の和をその原子の質量数と定義して比較を行います。
豆知識
原子核と電子の比較で、原子核を卓球ボールとすると電子が飛び回っているのは地球程度の大きさとなることを説明しました。では、その間には何が存在しているのでしょうか。
答えから先に説明すると、その間には何も存在せず、真空となっています。そのため、原子のほとんどは真空となっているのです。このとき、物質を構成しているのが原子だとするのなら、物質同士(例えば指と指)を近づけたとき貫通することはなく、なぜぶつかり合うのでしょうか。
これは、電子が負の電荷をもっていることから、原子同士が反発しているためです。従って、厳密に言うと、指同士はくっついておらずごく小さな小さな隙間が空いているのです。なので、ドッヂボールの時、原子のスケールでいうとアウトになりません(笑)。
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